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  1. 気候変動ワーキング・グループ(CCWG)CEO Briefing: The Future of Climate Policy の解説・要約
    「今後の気候変動関連政策:金融業界の見解」
  2. アセットマネジメント・ワーキンググループ報告書A legal framework for the integration of environmental, social and governance issues into institutional investmentの解説
    「日本における機関投資におけるESG問題の配慮」


気候変動ワーキング・グループ(CCWG)CEO Briefing: The Future of Climate Policy の解説・要約

「今後の気候変動関連政策:金融業界の見解」

CEO Briefing: The Future of Climate Policy
UNEP金融イニシアティブ CEOブリーフィング・シリーズ

「今後の気候変動関連政策:金融業界の見解」

解説

 当報告書は、気候変動問題、日本で言う温暖化問題において、先進的な取組みを行っている欧米の金融機関等による、京都議定書以降の国際的温暖化対策の枠組に関する提言である。中でもその中核を占める欧州の保険会社は、温暖化等による自然災害[1]に対する保険金支払額が大幅に増加傾向にあることに危機感を持っており、温暖化の経済的リスクを強く認識し、EUと同様に強力な政策を出来るだけ早期から国際的に取ることを求めている。国際的な対策投資を促進するためには明確な長期的枠組が必要との主張や、最小費用で排出削減を行うには流動的なグローバル炭素市場が必須との主張も、金融機関らしい視点と言える。欧州等でもしばしば議論になる産業の国際競争力の問題などへの視点が弱く、経済合理性に重点が置かれた提案となっているのも、特徴的である。経済社会への影響力の大きさから、国際的議論においても金融機関の意見は無視できなくなって来ており、そういった面からも興味深い提言であると言えよう。

日本政策投資銀行
社会環境グループ・政策企画部調査役
饗場崇夫

日本語要約版

当報告書はUNEP金融イニシアティブの気候変動ワーキング・グループ(CCWG)によるCEOブリーフィング・シリーズの五本目にあたる。まずは京都議定書による約束期間が終了する2013年以降の気候変動に対する国際的な枠組みの潜在的な長所と欠点を金融業界の視点から述べ、今後の国際的な気候変動政策をいかに発展させていくべきかを提案する。

はじめに

気候変動(特に気候変動による自然災害)による経済的コストの可能性を国際地域社会に直接訴えるため、保険会社数社が1995年にベルリンで開催された気候変動枠組条約締約国会議第1回会合(COPI)に出席した。十年後の今日、人間の活動によって誘発された気候変動は現実のものとなり、それによる影響が現れ始めている。2005 年2 月の京都議定書の発効により枠組みが確立されたグローバルな炭素市場および2005年1月から開始されたEU域内排出量取引制度(EU-ETS)は、温暖化ガス削減を最低限のコストで実現するために重要なプライスシグナルを提供する。しかし低炭素経済の発展に緊急に必要な中・長期的な投資を促進するためには、ポスト京都議定書の枠組み並びに2013年以降の国際的な気候変動政策が確定されることが重要である。なぜなら、気候変動政策の明確な展望があって初めて金融業界はそれより発生するリスクに対応し、また新たなビジネスチャンスに取り組むことが出来るからである。なお、当報告書では気候変動政策の適応措置の重要を認識するものの、緩和措置に焦点を置いている。

金融機関と気候変動

気候変動に関して金融業界は、事業および顧客に対する気候変動によるマイナス影響に備えることと、低炭素経済の実現を手助けする商品・サービスを提供するといった二つの役割がある。保険業では異常気象の激化による保険金の支払い増加など、気候変動はビジネス・チャンスよりまずビジネス・リスクとなっているため、これをリスク・マネジメントに組み込む必要がある。一方、革新的な気候変動関連商品(再生可能エネルギー保険、認証排出削減量(CERs)保険など) も開発されている。一方、銀行にとっては、排出量削減政策が融資先のコストを上げることによる新たな債務不履行リスクに直面している一方で、世界の炭素市場の発展は排出取引関連のサービスや再生可能エネルギー融資などといったビジネス・チャンスでもある。また、アセット・マネジャーにとっては、投資資産を守るべく投資資産額が気候変動によりどう影響し、どう価値を高めることができるかを理解することが必須である。その流れの一環として例えばカーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(www.cdproject.net)は2000年より総計運用資産高21兆ドルを超える世界の名だたる機関投資家たちの名で企業の温暖化対策に関する情報開示を求めている。国内間ネットワークもまた急速に現われており、例えば、英国のInstitutional Investors Group on Climate Change、米国のInvestor Network on Climate Risk、オーストラリアとニュージーランドのInvestor Group on Climate Changeなどがある。

国際気候変動政策: グローバルな炭素市場の開発

1992 年に気候変動枠組条約(UNFCCC)が作成され、13年後の2005 年2月に京都議定書が発効した。京都議定書は気候変動の緩和に取り組もうという156ヶ国(2005 年9 月現在)全体の意志を表している。世界経済の約半分(世界GDPの48%)に相当する国々が同議定書に参加しており、その内附属書B国と呼ばれる主要37工業国は1990年比で2012年までに温室効果ガスの排出量を平均5.2%削減する法的義務がある。その削減方法として京都議定書の国際排出量取引(IET; International Emissions Trading)、共同実施(JI: Joint Implementation)、クリーン開発メカニズム(CDM: Clean Development Mechanism)などといった柔軟措置は工業国・発展途上国においてともに再生可能エネルギーおよび省エネ技術開発への投資を含む排出量削減活動の促進にインセンティブを付与する。また、京都議定書における義務の達成手段の一つとして欧州連合(EU)はCDM/JIクレジットと市場を明確に結びつけた欧州連合温室効果ガス排出枠取引(EU ETS)を2005年1月から始めている。このような国際炭素市場の創設は、低炭素製品やサービスの開発・商品化を通じて企業の付加価値を上げ利益を高める機会であり、排出量取引はEU ETS の下で義務のある6,000以上のヨーロッパの企業の一つの選択肢だ。オーストラリア、日本、カナダ、一部の米国内の州など他の国や地域においても排出取引制度は発展している。さらに、排出削減クレジット及び排出削減プロジェクトへの投資といったカーボンファンド・マーケットも急速に拡大しており、今日では世界にある約20のカーボンファンドに20億米ドル以上が投資されている。また、ドレスナー・クラインオート・ワッサース タイン証券会社による個人投資家向けのEU割り当て排出量の参加証書の発行など、新しい革新的な金融製品も現れてきている。ABN AMRO銀行の試算によると、2005年から2012 年にかけてEU ETS内の取引額は少なくとも546 億米ドルに達する見込みである。

今後の重要課題

京都議定書の発効による政治的成功およびそれに伴った炭素市場や他の政策・措置の導入にもかかわらず、多くの課題が残る。最も緊急を要するものは、2013年以降の継続の保証である。現在の体制の政治的タイムフレームは10-20年先の見通しを必要とする投資活動と上手く連携しておらず、長期間に渡るクリーンエネルギー・プロジェクトに投資するインセンティブが限られている。典型的なプロジェクト期間は10-20年間、時にはさらに長期間に渡り、セットアップ・コストが回収された数年先に初めて利益が出る仕組みだ。よって今日急務を要する課題は、2013年以降の気候変動政策を明確にし、それにより当面の民間投資(特にエネルギー及びエネルギー・インフラ分野での投資)に向けて、低炭素社会への強い政策シグナル送ることである。その2013年以降の政策は政治的継続性を保つためにも排出量削減を最小限のコストで達成するという方針を維持する必要があり、その為には低炭素技術による温暖化ガスの削減には、現在以上の努力をもって促進させなければならない。国際エネルギー機関(IEA) は増え続ける世界のエネルギー需要によって2030年までにはエネルギー基盤への投資が20.3 兆米ドル必要となり、その結果温暖化対策をとらない自然体ケース(business as usual;BAU)でのシナリオでは、2005年比で52%の排出量増加を予測している。たとえ政策が変更され、政府が温暖化ガス削減にコミットしたとしても、世界の排出量は2030年までに37%増加すると見込まれている。よってIEAによれば長期交渉の時間は既になく、削減を20年まで先送りするならば後の排出削減率を大きく上げる必要となりコストは更に高くついてしまうであろう。

2012年までの気候変動政策とその後:金融業界の見解

世界の金融機関は明確で長期の政策枠組を必要としている。環境的に整合性がありかつ明確で一貫性のある大規模な変化を市場にシグナルするような投資環境作りを念頭に政策が作られることが必要である。具体的には、グローバルな炭素市場やその国際基準の確立、また国内の低炭素エネルギーやインフラ政策などが考えられる。これらの実現の為には、国際気候変動政策の2013年以降の運営体制に段階的に参加国を増やしていく方法が効果的と思われる。

結論

2012年までの、またそれ以降の国際的な気候変動政策がどのように発展すべきかについてUNEP金融イニシアティブの気候変動ワーキング・グループ(CCWG)は次の4つの提案を行いたい。

  1. 明確かつ地球温暖化の事前防止的な長期間の排出量削減目標を設定し、その実施方法を確定する。 昨今の気候変動及びその影響に関する科学上の知識の合意の発展を十分に考慮し、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が明確に示すように、産業革命後の地球全体の平均気温の上昇幅を2度までに抑えることを目標にするべきである。まず国家および地域間の取組みが必要である:例えば、2005年3月のEUの環境大臣の会合での60から80パーセントの削減の検討や、カリフォルニア州の2050年までに1990年の80%削減する目標など。同時に、気候に配慮したテクノロジーの大規模な投資、イノベーション、生産が必要であり、その為には実施の際のルールや一般的な投資期間に合った政策期間を設け、明確で一貫性のあるシグナルを市場に送る必要がある。
  2. 早期に明確な2013年以降の気候政策を国際的なレベルまた国単位で制定する。 明確で長期的な枠組みなしには民間金融機関は大型な気候変動関連の中長期投資を行いづらい。UNEP金融イニシアティブの気候変動ワーキング・グループは、京都議定書の枠組みが維持されることによって、発展中の炭素市場や省エネ・再生エネルギーのプロジェクトに対する投資家の信頼を確立するべきだと考える。その為にも、国際的な体制のもとで段階的に全ての国が積極的に排出削減活動に取り組むべきである。
  3. グローバルな炭素市場を発展させる適切な枠組みを育成する。 温暖化ガス削減を最小コストで実現するためには流動性のある効果的なグローバル炭素市場が必須である。具体的には京都議定書の柔軟措置を更に発展させ、クリーン開発メカニズム(CDM)を商業的により魅力的にし、地域・国レベルの個々の炭素市場を調和させることが必要である。
  4. 再生可能エネルギーおよび省エネの明確な目標を設ける。 金融機関は再生可能エネルギー分野に大きな関心を寄せている。よって、国・地域レベルでの明確な目標と安定した支援体制が確立されれば、この分野への資金流入も増加する。特に工業国は、再生可能エネルギー目標を設け、クリーンエネルギーおよび省エネ技術開発への投資に対する障害を取除くべきである。また、消費者向けの省エネ表示のスタンダードを徐々に高めるべきである。発展途上国では必要あらば工業国の協力を得て、省エネ性を高めることやクリーンエネルギーの導入に目を向けるべきであり、それにはクリーン開発メカニズム(CDM)が重要な役割を担うことができる。

[1] 科学的な関係は不明確なようだが、例えばハリケーン・カトリーナ等

 

UNEP金融イニシアティブの気候変動ワーキング・グループ(CCWG)

メンバーリスト(2005年12月現在)
Tony Basson
Senior Manager, Environmental Risk Management
CIBC
Toronto, Canada
Jennifer Boal
Risk Manager
Abbey
Milton Keynes, England
Andy Challoner
Head of GI Risk Management
Aviva plc
London, UK
Tony Coleman
Chief Risk Officer and Group Actuary
Insurance Australia Group
Sydney, Australia
Rolf D. Häßler
Expert Environmental Management / SRI
Munich Reinsurance Company
Munich, Germany
Dirk P. Kohler
Managing Director
GSDP Global Sustainable Development Project
Lisle sur Tarn, France
Helen M. Sahi
Senior Vice President
Environmental Services Department
Bank of America
Hartford, CT, USA
Dr. Armin Sandhövel
Head Corporate Sustainability
Chief Risk Officer’s Office
Dresdner Bank AG
Frankfurt, Germany
Simone Schärer
Sustainability Analyst
SAM Research Inc
Zurich, Switzerland
Martin Weymann
Sustainability and Emerging Risk Management
Swiss Re
Zurich, Switzerland

編集・監修
アドバイザー
Dr. Sascha Lafeld
Managing Director
3C climate change consulting GmbH
Frankfurt, Germany
Dr. Andrew Dlugolecki
Andlug Consulting
Perth, Scotland
Kirsty Hamilton
Policy Consultant
London, UK

UNEP事務局
Paul Clements-Hunt
Head
UNEP Finance Initiative
Geneva, Switzerland
Tel +41 22 917 8116
Lisa Petrovic
Consultant
UNEP Finance Initiative
Geneva, Switzerland
Tel +41 22 917 8686

日本語要約版
編集・作成>br> 安井友紀
Junior Professional Officer
UNEP Finance Initiative
Geneva, Switzerland
Tel +41 22 917 8658

田中佐和子
Intern
UNEP Finance Initiative
Geneva, Switzerland
解説・監修
饗場崇夫
日本政策投資銀行
社会環境グループ・政策企画部調査役

 


アセットマネジメント・ワーキンググループ報告書 A legal framework for the integration of environmental, social and governance issues into institutional investmentの解説

「日本における機関投資におけるESG問題の配慮」

2005年11月30日

フレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガー法律事務所 

弁護士松添聖史

背景

これまで、日本における年金基金等の機関投資家のファンド・マネージャーの間では、そのファンド運用にあたって、一般の年金受給者や他の受益者に対する配当額を最大化させなければならないのであって、環境問題、社会問題及びコーポレート・ガバナンスの問題(以下「ESG問題」といいます。)を考慮することは、自らに課せられた法的義務に適合しないという考えが支配的でした。

これに対し、いわゆるエコ・ファンドに代表される一般向けに販売されている投資ファンドにおいては、むしろESG問題を考慮することをセールスポイントとする商品がいくつも登場しています。ただし、ファンド・マネージャーが負っている法的義務とESG問題の関係については、今まで法的に議論されることがほとんどありませんでした。バブル崩壊後、収益性の維持が至上命題とされてきた機関投資家にとっては、その収益性のみが注目されてきたことは仕方のないことではありますが、多額の資金を保有するファンドとしての社会的責任については軽視されてきた傾向にあります。

このたび国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEP FI)資産運用ワーキンググループのためにフレッシュフィールズ・ブルックハウス・デリンガー法律事務所が作成した報告書においては、これまで関連付けて考慮されてこなかったESG問題と機関投資という二つの分野の間の溝を埋め、機関投資の分野においてもより積極的にESG問題を考慮することが可能であり、かつ考慮すべきであることを提言しています。

ESG問題

ESG問題とは、環境(Environmental)、社会(Social)及びコーポレート・ガバナンス(Governance)の問題を意味します。具体的には、以下のような事項を念頭に置いています。

  • 環境問題への取り組み(リサイクル達成率、温暖化ガスの排出量等)
  • 企業の社会性(法令遵守、職場環境への配慮、地域への貢献度等)
  • 企業内における経営陣、従業員及び株主の権利及び責任の明確化(社内監査制度の整備、不祥事対応等)
日本における「受託者責任」

日本においては、ファンド・マネージャーの「受託者責任」という概念自体、最近まで本格的に研究されていたとは言い難い状況であり、かかる受託者責任とESG問題の関係について言及する法令、ガイドラインその他の一般書籍もほとんどないのが現状です。一般的には、ファンド・マネージャーは、善良なる管理者としての注意義務及び忠実義務を負っていると考えられており、その内容については、例えば、年金基金の理事は、加入員の利益のために、忠実に義務を履行し、管理運用業務に精通している者が、通常用いるであろう程度の注意を払って業務を執行しなければならないと解されています。

日本においては、この「受託者責任」の概念自体を英米法から輸入したと考えられ、現在も、その解釈については米国法上の議論を輸入しているというのが実情であって、特にESGと受託者責任の関係について、日本独自の議論は無いといっても過言ではありません。

ESGと受託者責任

ESGと受託者責任の関係については、「受託者は収益最大化を目標とすべきであって、ESGを考慮することは、受託者の義務に反する」という見解が支配的でした。それらは、英米のファンドにおける忠実義務(受託者は専ら受益者の利益のために行動しなければならない。)に関するいくつかの判例における「受益者の利益に結びつかないESGに基づく投資活動は忠実義務に違反する」という判断、それらをベースとした幾つかの論文(著名なものとしては、John H. Langbein and Richard A. Posner, Social Investing and the Law of Trusts, 79 Michigan Law Review (1980)など)を論拠としています。

しかし、このような見解は、以下の理由からもはや妥当しないものであると考えております。

  1. これまでは、個々の投資商品の選別を念頭において、個々の投資商品の選別基準としては個々の投資商品の収益性を考慮すべきであって、ESGを考慮すべきでないと議論されてきました。しかし、ポートフォリオ理論(modern portfolio theory)においては、個々の投資商品の収益性だけを問題とするのでなく、いかにリスクを分散したポートフォリオを構築できるかという観点で検討する必要があります。ポートフォリオの構築においては、ESGを考慮するということは矛盾することではなく、むしろ現在では、ESGを考慮要素の一つとすることは、より最適なポートフォリオの構築に資するものであると考えます。
  2. これまでの議論は、単純に投資商品の経済収益性の考慮とESGの考慮を比較して、対立させて考えてきました。しかし、実際の投資判断は、投資先の選別に先立ち、如何なる要素を考慮すべきか(Relevancy 関連性)という問題と、各要素についてどの程度のウェイトをおいて判断すべきかという、二つの段階を経て行われるのであって、単純に経済収益性とESGを比較するというアプローチ自体が妥当ではないと考えています。ESG問題について、どんな要素をどの程度のウェイトをおいて判断すべきかという点については、別途UNEP FIにおいて研究が進められています(The Materiality of Social, Environmental and Corporate Governance Issues to Equity Pricing)。

ESGが受益者の利益に優越するというわけではありません。しかし、社会の変化に伴い、受益者の利益を図るためには、もはやESGを無視するべきではないと考えます。

ESG問題に対する取り組み

近年、地球温暖化を初めとするESG問題が投資リターンに影響を与えうるという研究が相次いで発表されています。もはや企業価値はバランスシート上の数字からのみ判断できるものではありません。報告書は、結論として、ファンド・マネージャーは、その投資判断を行う際、ESG問題についても適切に考慮することが要求されると結論付けています。もちろん、社会環境の違いもあるため、同時に全世界が変化することは不可能ではありますが、報告書は、強くESG問題の重要性を説き、ファンド・マネージャーに対して警鐘を鳴らしています。

未だ、ESG問題に関する議論が始まったばかりの日本ですが、ESG問題が機関投資家にとっても無視することはできない問題となることは遠い将来ではありません。既に、幾つかの国の機関投資家たちは積極的に自分たちのESG問題に対する姿勢を明確にしています。ESG問題に対する姿勢を不明確にしておくことは、単に世界市場からの遅れを意味するだけではありません。我が国が、単に数字に踊るだけの投資家の草刈場となるのか、又はしっかりと社会的責任を果たしたマーケットを形成できるのかという、新たな変革の時を迎えていると考えます。

以上

報告書の全文ダウンロード(英語)はこちらからどうぞ(PDF: 1 MB)

 


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